日記

日々、思った事をつらつらと…、

師匠、定年

 師匠、定年前最後の乗り番という事で、何年振りだろう、久しぶりにNHKホールへ。土曜日午後の渋谷、相変わらず、すごい人の数ですな。

 開演前のロビーコンサート、師匠がソロでチェロアンサンブル、F.クープラン、5つの演奏会用小品。司会の方が、今日の演奏会をもって、卒業と案内。弾きながら、いつもの見慣れた仕草。その後、奥様にお会いしたので、ご挨拶。

 そして、オケ。尾高忠明指揮でエルガーの1番。(当たり前だけど)いつも通り。弟子としてさんざん真似た動きが次々と。ところで、師匠の小指でビブラートを掛けている姿が好きである。私は、小指、鍛え方が足りないからか、薬指抜きでビブラートできない。

 やがて、終演。花束、そしてパートから一升瓶を渡される。これまでも定年を迎える方の乗る演奏会を見たけど、パートから花束が出てきても、お酒が出てくるのは初めて見た。まさに彼のキャラクター、弟子としては「そう来たか」と笑いが止まらない。N響と長い付き合いとなる尾高氏もステージから客席に向って「あんな顔していますが(確かに若く見えると思う)、定年です。でも、私がN響振り始めたときから、あんな顔でした」と笑いを誘う。そして、少し照れくさそうに前まで出てきてお辞儀。前まで出てくるのも、初めて見たかも。すべて、彼の人柄だと思う。

 35年間、まずはお疲れさまでした。今後とも、(前に弦やら毛替えをしたのがいつか覚えていない情けない弟子ですが…)よろしくお願いいたします。良い師匠の元、楽器を習えたんだなと思った。